レコード産業の現況
CD低迷の時代
明治43年に日本蓄音器商会(日本コロンビアの前身)が、国産初の蓄音機を発売、5種のレーベルでレコードを製作してから2010年でちょうど100年がたった。
現在主流の音楽ソフトはレコードから、1982年に登場したコンパクトディスク(CD)に移り変わったが、イギリスを中心に世界展開してきた大手レコード販売店「HMV」が、
1990年に日本第一号店として東京・渋谷に出店し、その後最大67店舗まで拡大してきたが、店舗抑制のため2010年ついに「HMV渋谷」は閉店となってしまった。
この閉店は、1998年をピークに販売低迷が続く「CD不況」を象徴する出来事として話題となった。
フィジカルからデジタル化
「CD不況」といわれる背景として、レンタルショップからCDを借り、iPodのような携帯音楽プレーヤーにインポートし音楽を楽しむ。音楽CDのレンタルショップは
日本特有のサービスで、“貸与権”という著作権保護の枠組みの中で営業しています。PCの普及とともに誰もが簡単にCDをコピーすることができるようになりました。
そして、デジタル音楽配信サービスの出現。携帯電話からダウンロードする「着うた・着うたフル」は1曲単位で購入することができ、それを着メロとして楽しむのをはじめ、
CDなどの既存メディアを介さずに、PCや携帯電話から楽曲を取り入れるユーザーが急増したのだ。
平行して一部の技術的に進んだユーザーではP2P方式でWinnyなどに代表されるファイル共有ソフトを使った違法コピーが多く行われており、著作権侵害の被害は100億円規模に上っているとされる。
音楽はいま、フィジカル(CDそのもの)からデジタルデータとなってネット上を行き交う。配信サイトから1曲ずつ買うのが普通になり、違法ダウンロードを含む無料での視聴も安易になってしまったのだ。
どうなる?レコード会社
このCD不況によりどの会社も制作部門を大幅に縮小した。いわゆるメジャーレコード会社の多くは実質的に制作機能をなくして、ただのディストリビューターになってしまった所が多い。
CDやDVDのパッケージ販売の落ち込みに対して、音楽配信が増えているとはいうものの補完はできていないのが現状だ。
パッケージやデジタルで音源を売ることだけがビジネスではなく、関連する全ての要素を含めてビジネスとして考えようとしている動きもあり、
音源を無料で提供して口コミでファン層を広げ、ライブへの集客を増加させる事により物販収入を増加させるというもの。
これはアーティスト自身やプロダクションが自らで配信できるのでレコード会社としては厳しいばかりだ。
揺らぐDRM(デジタル著作権管理)
デジタルコンテンツの違法コピー対策にDRMが使われています。DRMは音楽ファイルの再生、転送、共有、アクセスなどに関する回数を制限したり、機器を特定したりするプログラムです。
DRMのデータは、コンテンツ提供者が指定したプレイヤーで、コンテンツ提供者が考えるスタイルでのみ再生することが許されるものであり、このスタイルを消費者に強要するものであった。
音楽業界は今まで楽曲の不正コピーや不正利用を防ぐためにDRMを積極的に利用してきたわけだが、2007年に米アップル社が同社の音楽配信サービス「iTunes Store」でDRMフリーの楽曲「iTunes Plus」
を売り始めて以来、その姿勢を変え世界の4大レコード会社がすべて、著作権保護のための機能がない音楽ファイル供給を始めています。